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Posted on 2020-11-05
DOROTHY / Takahiro Murahashi 村橋貴博


 

DOROTHY
Takahiro Murahashi  村橋貴博

148mm × 210mm  96 pages, hardcover, offset print
1st Limited Edition of 1000
Publication date: November 2020
2000yen + tax

buy: ON READING https://artlabo.ocnk.net/product/7618

guse arsとしても活動中のコラージュ・アーティスト、Takahiro Murahashi(村橋貴博)による作品集。

村橋はこれまで、コラージュという手法を使い、平面作品でありながら、マテリアルやボリュームを感じさせる抽象的な彫刻のような作品を発表してきました。本作『DOROTHY』では、より具象的要素や構成を持たせることにより、フィクションとリアリティの狭間を往来するような不可思議な作品が生み出されています。

どこかの種族の工芸品や偶像、超古代のオーパーツ、はたまた未来の生物のような不思議な造形は、日々の暮らしや宗教の世界で崇拝されるような神聖な存在を思わせます。

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抽象的な形の組み合わせで、コラージュや立体物を作っていると、ふとした時に本体から手足がのびて、そこに頭が乗って、素材の陰影や模様が目や鼻や口に見えたりすることがあります。そのように感じたオブジェクトは、本来は抽象的であるはずだったものが、たちまち生命を宿したように生きた存在に変わり愛着が湧いてきます。決定的な正面が決まり、何だか粗末に扱えないような感覚や友達のような親近感も生まれます。

DOROTHY(ドロシー)という言葉は、doll(人形)の語源となったとも言われ、ギリシャ語のdorothea(doron「贈り物」+ theos「神」)がその由来です。なんでもなかった形が何かの拍子に人形のように見えてくるその瞬間は、正に「神の贈り物」のようです。私は今回表現した人形のような、神様のような、未来の生物のような一連の作品をその言葉を借りてドロシーと名付けました。平面と立体で生まれたドロシーは、どちらが実在しているのか、または、どちらも実在していないのか。自分が作りながら誰かに作らされているような非常に曖昧な存在です。それはコラージュという表現そのものに似ているような気がします。

新しい本「DOROTHY」(ELVIS PRESS刊)では、平面と立体両方のドロシー人形が収録されています。どちらにおいても立体物として実在した場合の寸法や素材のデータが添えられているため、印刷物になると更にどちらが実際に存在するのか判別が難しくなるかもしれません。遠い未来、誰かがこの本を見てドロシー人形の研究をしたり、オブジェを崇め奉ったり、単なる遊び道具にしたりしている日が来るかもしれません。ドロシーをつくる行為は、ちょっとした私の悪戯でもあります。

(_村橋貴博)

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Takahiro Murahashi / 村橋貴博
Art / Design / illustration
1979年生まれ。武蔵野美術大学卒業。コラージュを中心にした作品発表を続け、書籍や広告のイラストレーションやグラフィックデザインの仕事も行なう。2人組のアートプロジェクト guse ars (グセアルス)としても活動。
guse-ars.com

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